火災の種類

火災とは、「燃焼現象においてエネルギーが暴走し、人間の意に反して物が燃え続け、これを放置しておくと人命 や財産に損害を与える場合」とされており、いくつかの種類があります。
一般住宅で起こる火災はA・B・C火災がほとんどで、 C火災は漏電などが原因で起きる火災となります。
また、金属・ガス火災については、特殊な環境でしか使われない物質が原因となるため、工場でよく起きる火災となっております。
初期消火には消火器が有効であり、住宅用消火器があれば、A・B・C火災に対応できるので、備えておきましょう。

火災の種類 燃焼物消火方法
普通火災
(A火災)
木材、紙、布など普通の可燃物の火災水で消火が可能
油火災
(B火災)
石油類や動植物油など半固体油脂を含めた引火性物質の火災霧状の強化液、泡、ガス、粉末系の消火剤
電気火災
(C火災)
変圧器、配電盤、その他電気設備の火災霧状の水、霧状の強化剤、粉末系の消火剤
金属火災マグネシウム、カルシウム、
ナトリウムなどの火災
乾燥砂
ガス火災都市ガス、プロパンガスによる火災ガスを止め、粉末消火器で消火するとともに、大量の水で容器を冷却

燃焼の原理

燃焼とは、「ある物質が酸素、または酸素を含む物質と激しく化合して化学反応を起こし、その結果、多量の熱と 光を出す現象」とされています。
燃焼には、次の4要素全てが必要となり、これら4つを「燃焼の4要素」といいます。
これまでは、燃焼の三要素と言われておりましたが、最近では「燃焼の継続」が加わり燃焼の4要素と言われるようになりました。
燃焼の仕組みを理解しておくと火災予防になりますので覚えておきましょう。

燃焼要素要素例
可燃物木材や紙、油やアルコールなど
酸素供給体空気中の酸素やセルロイドなどの
物質中の酸素など
点火源
(熱源)
火気、火花、静電気、摩擦熱など
燃焼の継続酸化の連鎖反応のこと

消火の原理

燃焼の4要素の1つを除去することができれば、燃焼は継続できないため、火を消すことができます。
消火の原理は以下表のように分類され、これら4つを「消火の4要素」といいます。
消火の原理を覚えておくと火災発生時、被害を最小限に抑えることができます。

消火要素 消火方法
除去消火周囲の可燃物の除去。ガスコンロのコックを閉める。
冷却消火火元に水をかける。水を使えない場合はガス消火設備や
粉末消火設備を使用。
窒息消火燃えているものに砂をかける。二酸化炭素やハロゲン化物を注入して部屋の酸素濃度を低下させて消火。
抑制消火粉末消火器、ハロゲンにより酸化反応を抑制し、
燃焼の連鎖反応を弱め、燃焼の継続を不能とさせて消火。